新しい幸せ


一時間前には
無理やり寝ることを止めた
どうせ早く寝たって
低血圧な自分は
朝には弱い
煙草に手を伸ばすも
そういえば今日は珍しく
自分のベッドに
自分ではない人間が居ることを思い出す

コイツは気管支が弱かったな…
そう思い煙草を捨てた

以前の自分なら有り得ない光景
煙草が無ければ苛々するし
別に寿命が縮もうが
どうでもよかった
けど
コイツと居るようになって変わった
人が困ろうが迷惑だろうが
どうでもいいと思っていたのに
コイツが喘息を引き起こしたとき
煙草の煙のせいだと反省した

たぶん昔の俺が
今の俺を見たら
きっと笑われる
でも、まぁ
この変化はそんなに嫌じゃない
違和感なんて無いし
どちらかといえば
好ましい

たぶん
今が幸せだからだろう

今の俺は
煙草に頼らなくても
満たされている
新しくできたこの存在は
ふとした事に幸せを感じさせてくれる

寝ているあいつの顔を見ると
幸せそうに笑っていた
つられて俺も笑っていた
あぁなんか幸せだなって
思った

どんな夢見てるんだか…

その夢に
俺が出てるといいけど